今回はエモジマさんの投稿に乗っかってGoogleネタです。
読者の方々の中にはGoogle Analyticsで自社サイトの解析をされている方も多いのではないでしょうか。
そんなWebサイトのアクセス解析で有名なGoogle Analyticsには隠れた(?)優秀な機能があります。
Measurement Protocol
インターネット接続デバイスで発生したヒットを収集し、Google アナリティクスに送信するための標準ルールセットです。
Measurement Protocol を使用して、インターネット接続デバイスから Google アナリティクスにデータを送信します。売店や POS システムなど、ウェブサイトとモバイルアプリ以外から Google アナリティクスにデータを送信する場合に特に役立ちます。 ウェブサイトとモバイルアプリでのヒットは、Google アナリティクス JavaScript とモバイル SDK が自動的に収集し、データを Google アナリティクスに送信しますが、その他のデバイスでは手動でヒットデータを収集しなければならないからです。Measurement Protocol を利用すれば、ヒットの生成方法と Google アナリティクスへの送信方法を定義することができます。
(アナリティクスヘルプ)
ヘルプを参照すると上記の通り非常に少ない情報しか掲載されていませんが、ひとことで言うと「ルールセットを決めてデータをGoogle Analyticsに送信できるよ」というものです。
え、それだけ?はい、それだけです。
技術的なところを補足すると、JavaScript、App SDKのない環境でもHTTPのGet/PostさえできればOKというところが肝ではありますが基本上記の通りです。
実はこれエポックメイキング、つまりすごいことなんです。
なにがすごいのか説明する前にデジタルマーケティングの大まかな変遷から順を追って書いていきます。
デジタルマーケティングの変遷
【マーケティング領域でのオンラインとオフラインの定義】
オンライン:ECサイト、モバイルアプリなどのインターネット上のユーザーの行動
オフライン:実店舗での購買など、インターネットから離れた行動
【デジタルマーケティングの変遷】
1.ネット広告
インターネットの普及によりオフライン広告では難しかった広告の効果測定が可能になりました。
2.オンラインの行動履歴が把握可能に
Cookie情報を元に匿名ユーザーごとの、オンライン上のアクセス履歴(=行動履歴)が把握可能になりました。
3.リマーケティング(リターゲティング)が可能に
行動履歴の把握が可能になったことで、その行動を元にオンライン上で一度閲覧した商品を別サイトでも再表示(広告枠)することで購買を促すことが可能になりました。
4.O2O(Online to Offline)の時代に
オンライン上でのユーザーへの遡及が一巡したあと、オフラインの行動にもデジタルマーケティングで影響を与える流れになってきました。
オンラインのユーザー行動と、オフラインのユーザー行動(たとえば店舗での購買)を紐付けるには、店舗の購買履歴データを蓄積するデータベースがGoogle Analyticsとは別に必要となります。
このようなデータベースを分析基盤という意味合いでデータマネジメントプラットフォーム(DMP)と呼びます。こうした構成の場合、ネックとなるのは購買データが連携されるタイミングが即時ではないという点。そして、アクセス解析とその他のデータ分析の基盤が複数に分かれてしまう点です。
Measurement Protocol以前にも「Data Import」という機能により、オフラインデータをGoogle Analyticsにインポートすることは可能でしたが、DMPにデータを連携するのと同じく、リアルタイム性が不足していました。
と、ことオンライン領域とオフライン領域ではマーケティング施策および効果測定に低からず垣根が存在していたのがこれまでのデジタルマーケティングにおける課題でした。
それがMeasurement Protocolの活用によってどうなるのでしょうか?
オンライン・オフライン分け隔てない行動分析がほぼリアルタイムで
稼働中の、環境を変更しにくいPOSシステムなどからデータを飛ばせるので、オフラインのユーザー行動履歴がほぼリアルタイムで直接GAと連携できるようになります。
それにより、ひとりのユーザーのオンラインとオフライン双方の行動をひとつのプラットフォーム上で分析することが可能です。 そしてさらに、これまで難しかったO2O(Online to Offline)施策の効果測定も、施策実施後にほぼリアルタイム且つ一元的にGoogle Analyticsで確認することができます。
例えば、EC参照→店舗来店→購買、店舗購買→モバイルでEC参照→EC購買、広告参照→店舗購買などなど。 なんとデジタル広告の、オフライン購買へのインパクトが即時に数値化できてしまう!!
Google Analyticsが昨今Webマーケターの必須ツールであり多くのマーケターが操作に慣れているところに、新しく使用方法を覚えることなくオフラインの行動分析もできるようにしてしまうところ、Googleの計算高さが伺えます。
今後は、Google Analyticsの位置づけが下記のように変わるということですね。
■いままでのGoogle Analyticsの位置付け
オンラインのユーザー行動分析ツール
■これからのGoogle Analyticsの位置付け
オンライン/オフライン双方のユーザー行動を溜め込んだデータマネジメントプラットフォーム(DMP)
なお、「オンライン」と「オフライン」で同一ユーザーであることが名寄せできなければメリットは半減してしまいます。大事なのはオンラインとオフラインのユーザーが「ポイントカード番号」などの一意のIDで紐付け可能であることですのでご注意を。
まとめ
●従来のデジタルマーケティングで言うところの「オフライン行動」をほぼリアルタイムにトラッキングし自動で連携できるようになる(ex. リアル店舗での購買履歴がPOSシステムなどから直接Google Analyticsに返却でき、分析ができる)
●オンラインの施策がオフラインのユーザー行動にどの程度影響を与えたかをワンプラットフォーム上で数値化できることになる(ex. リマーケティング広告を見たユーザーがオフラインでその商品を購買したかどうかが把握できる)。
●POSシステムなど、稼働中で環境構成を変えにくいシステムにもJavaScriptやSDKのセットアップが不要で導入しやすい。
近年Googleはデジタルマーケティング領域向けの製品を拡充しており、ユーザー知見を向上させるために以下のようなサイトも続々公開しています。
■Think with Google
https://www.thinkwithgoogle.com/
■Google Digital Workshop
https://learndigital.withgoogle.com/digitalworkshop-jp
これからは、いや、これからもGoogleから目が離せませんね。
Measurement Protocolを「触ってみた」や「ケーススタディ」はまた別の機会にということで!
もちろんデータ可視化ツールとしてはGoogle Analyticsより優れたツールも存在するので、一概にDMP構築が良くないわけではありません。ウフルではGoogle Analyticsのコンサルは当然のこと、DMP構築支援も含めて最適な提案を実施させていただきます。
フルタ
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