気が付けばあっという間に暖かくなってきた。東京は桜の季節も終わって、夏に向かってまっしぐらということになる。
私は、巷で話題のAirbnbを使って家の空き部屋を運用しているのだが、桜のシーズンは東京は大人気であっという間に予約が埋まってしまった。
さて今日のテーマはコンテンツマーケティングに向いてる企業や製品の特徴についてである。
コンテンツマーケティングは、インバウンドマーケティングの一種である。ユーザーへダイレクトに商品やサービスの宣伝をする手法ではなく、有益な情報や興味を引くコンテンツを提供し、認知を集め、そこから徐々にコンバージョンポイントまで導いていくものとなる。
最近、インバウンドマーケティングが「海外からの観光客を日本に呼ぶ」みたいな文脈で使われることが多いが、ここでは別の意味、「プル型の営業」という意味でのインバウンドマーケティングについて定義しよう。
インバウンドマーケティングとはなにか
営業スタイルには大きく、アウトバウンド(プッシュ型)とインバウンド(プル型)がある。典型的な例としては、アウトバウンドは電話営業や訪問販売、インバウンドはCMや雑誌広告からの電話注文のようなフローと考えていただければイメージがわくだろう。
コンテンツマーケティングとはウェブ上に有益なコンテンツをアップし、そこから見込み顧客に繋げる一種のインバウンドマーケティングで、このMCラボもインバウンドマーケティングの一環ということになる。(お問い合わせお待ちしております。)
これらの手法だが、業種や商材によって、向き不向きがあるということを考慮する必要がある。企業の規模、購入インターバル、商品のオリジナリティという観点からそのポイントを解説しよう。
企業の規模とコンテンツマーケティングの相性
テレビや新聞などを使うインバウンドマーケティングには、マス・マーケティングという側面があり、広告などに投下する資本力が勝負のポイントになる。しかし小規模の企業では、資本に制限がある場合がほとんどである。
そうした場合は、低予算で作れる記事や動画を使ってコンテンツマーケティングを実施することが合理的で、最も効果的だと考えられている。特に記事コンテンツはユーザーのニーズに沿うと同時に、SEOのキーワードに配慮したコンテンツを制作することで、規模の小さい会社でも十分に勝負可能になってくるのだ。
そのため、インバウンドマーケティングは現在のところ、記事コンテンツを起点にしてリードを獲得し、そこから営業支援ツールなどを使い(弊社ではSFA(Sales Force Automation)を使っている)、徐々に見込み顧客をコンバージョンに導いていくという手法が主流になっている。
また、事業環境の可変性という点でも、ベンチャー・中小企業にはコンテンツマーケティングは有用であると言える。ベンチャーや中小企業の場合、扱う商材やターゲットカスタマー、それらに関連するキーワードが変わりやすいので、スピーディーに対応することが必要になる。
マス・マーケティングはプランニングから準備に長い時間がかかる。コミュニケーション企画から、CMやクリエイティブの作成、その際のコンペ、媒体のバイイングなど、多くの手続きに時間がかかるのに対し、コンテンツマーケティングでは、記事の作成や簡単な動画を撮影して即アップするということが多い。
ウェブ構築のリードタイムはWordPressを使うことで劇的に縮めることができる。また、ソーシャルリスニングを使い、TwitterなどのSNSでの話題を利用して素早くコンテンツに反映させるなど、細かい軌道修正が可能になるのも記事コンテンツを使ったマーケティング手法の特徴だ。
一方、大企業ではフレキシブルな体制を敷くことは通常困難となる。承認フローなどの問題から、素早く柔軟な対応を取るのは難しいケースが多い。
さらに、大企業は事業環境が安定している場合が多いので、コンテンツマーケティングに力をいれるよりも、マス・マーケティングで大きく投資するほうが合理的になるということも考えられる。
大企業の場合でも、新規事業や市場に新商品を投入する場合などは、記事によるコンテンツマーケティングを取り入れることが望ましいが、その場合は承認フローやコンプライアンスの規定など、予めクリアすべき課題が存在することを念頭に置いておく必要がある。
鮮度の高い情報を適切なタイミングで投下することが、コンテンツマーケティングの価値を最大化することになるからだ。
購入インターバルの長さ
コンテンツマーケティングに向いている商材は、購入を決めるまで時間がかかる、購入インターバルが長くなるような商材と考えられる。
購入インターバルが長くなる場合、ユーザーは比較検討をする時間が豊富にあるということになる。他の購入候補探しや比較検討など、情報集めを積極的に行う場合が多い。そのため、詳細な情報やメリットの提案などをウェブコンテンツを通し、複数回に渡り、時間をかけて行うコンテンツマーケティングとの相性は良いと言えるだろう。
逆のことを考えてみると、購入頻度が高くインターバルが短い商材は購入までの検討期間が短いので、コンテンツで十分に説得する前に購入機会が訪れることが多い。
また、いつも買っているもの・安いもの・近所で買えるものといった品が選ばれやすいため、購入行動やメーカーと販売代理店との力関係などの「世界」がすでに出来上がっていることが多く、参入障壁の高さを覚悟する必要がある。
そして、購入インターバルが短い商品の場合、SEOやリスティングなど代替の訴求手段が複数存在する。時間とコストを投入してコンテンツを通したコミュニケーションを図るのは、即効性の無さから敬遠される傾向にある。
独自性のある技術やコンセプトを持っている場合
ウェブマーケティングにおいて最も重要なファクターとなる検索エンジン、中でもトップシェアを誇るGoogleの基本方針の一つとして「オリジナルのコンテンツを高く評価する」というものがある。
ユーザーの役に立つような、他では手に入らない情報は価値が高いと判断し、上位表示されやすくなっている。その企業独自のノウハウやメッセージを記事や動画コンテンツに落とし込むことで、独自のコンテンツとして検索エンジン側から評価され、結果として上位表示となり、多くのユーザーの目に留まるということになる。逆に、他から丸々コピペしてきたかのようなコンテンツは価値が低いとされ、低評価となる。
つまり、商品自体にオリジナリティがあるということは、その価値を伝えること自体がオリジナルのコンテンツになるケースが多く、コンテンツマーケティングに向いているということになる。
理念やメッセージを積極的に発信する
しかしながら、商材として差別化の難しい業界の場合でもコンテンツマーケティングに向かないということはない。商品やサービスで差別化が難しい場合は、その他の点で差別化を図る。これは最近では最も注目されている取り組みで、たとえば企業の理念やメッセージなどがそれにあたり、ブランディングという側面も持つ。
専門用語で言うと、機能面ではなくインサイト面を顧客に伝えるということである。その商品やサービスを使うと「何を得られ、どういう状況になるか」に重点を置き、メッセージを発信していく。
どちらのメッセージが深いと感じるだろうか?B社のメッセージはサービスによってどのような価値が生まれるかをより明確にあらわしている。このような深いメッセージは、SEOやリスティングなどの手法では伝達できない。しかし、コンテンツマーケティングでは、このような世界観を伝えることで、商品やサービスを「自分ゴト」化させることができるのだ。
デジタルマーケティングはウフルにお任せを
デジタルコミュニケーションの発展により、マーケティング手法も多岐にわたる選択肢を得た。自社の状況や商材に適した訴求手法を見分けて取捨選択することが、今後の成否のポイントとなる。
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NOWAY
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