夏フェスというエンターテインメントは、年末からとっくに始まっている!

Fuji Rock festival
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いやー、今年ももう2月の下旬。いよいよ近づいてきましたよ。

夏がっ…!夏フェスがっ!!

フジロックまで後154日を切ったんですよ、もう楽しみで仕方ないでしょっ!
「いやいやまだ気が早いでしょ…?」って思ったそこのあなた。そんなことは決してありません。

夏フェスというエンターテインメントは、もうとっくに始まっているのです!
行きたいなあと心の中で思ったなら!夏フェスはすでに始まっているんだ!
(※このメディアはマーケティングに関するメディアです笑)

夏フェスは1日にしてならず!勝負は冬から!

夏フェスというのは、その名の通り7月後半から9月頭あたりまでの期間で行われる音楽フェスのこと。当然、その話題が盛り上がるのは夏休みの頃です。
しかしフジロック、サマーソニックのような大型夏フェスの告知というのは、実は半年以上前から解禁されます。夏フェスファンは、徐々に小出しにされていく情報に半年間以上ワクワクしながら過ごし、当日を迎えているのです。
つまり夏フェスというエンターテインメントは当日だけにあらず。長期的な情報開示を通して、半年以上かけて開催されているお祭りと言ってもいいでしょう。

サマソニ時系列

Social Studio(Radian6)にて分析 (期間:2015/11/1~2016/7/31、キーワード:サマソニ、サマーソニック、summer sonic)

こちらが2015年11月〜2016年7月までのサマーソニックに関するソーシャルメディア上の話題量推移。昨年1月にヘッドライナーとしてRadioheadというビッグネームが発表になり、なかなかの話題を集めています。
その後10回以上に分けて発表が続いていき、7月の終わりにはタイムテーブルを発表。段々と話題量が伸びているのがわかります。

アーティスト解禁も一つのエンターテインメント

去年の師走の忙しく寒い時期、夏の暑さなどとうに忘れ去られた頃。フジロックの開催が発表されました。

一気に夏のあの風景を思い出す映像…あぁ、こんな真冬だけど夏になればフジロックに行けるんだ…なんてことを思いました。
そして早割チケットなどの発売情報がアナウンスされ、ディープなファンはこの時点でグッズなどをゲットして夏に備え始めます。

第1弾アーティスト発表は毎年2月の頭頃に行われます。最初の発表でヘッドライナーがドーンと出るので大きく話題になるタイミングです。
今年はフジロック、サマーソニック共にユニークな情報解禁の仕方で楽しませてくれました。

SUMMER SONIC

まずはサマソニ。発表の前日に出演者の名前がほんの少しだけ見える画像を提示して、ファンに予想させようというもの。

実際すぐに予想を埋めて投稿するユーザーが続出しました。
(※実際には出演アーティスト側が先にアナウンスしてしまうなどのトラブルがあり、発表は数日延期されていましたが。。)
 

FUJI ROCK

そしてこちらがフジロックの第1弾アーティスト発表の前夜に投稿されたツイート。翌日の午前10:45から渋谷MODIのスクリーンにてアーティストが発表されました。

11:00に公式Twitterからつぶやかれるのに先立ち、現地に行ったファン達がSNS上に発信することでより拡散していきました。
情報解禁もファンを巻き込んで一大イベントとして行われています。

Webコンテンツを通して、ワクワクさせ続ける

フジロック、サマーソニック共に、フェスを楽しみにするファンの心を惹きつけるコンテンツ発信に余念がありません。
オウンドメディアなどを活用しながら、近年トレンドになっているコンテンツマーケティングの手法も取っています。

SUMMER SONIC公式ホームページ

Snip20170222_2

http://www.summersonic.com/2016/review/

サマーソニックはオフィシャルサイト内でSONIC REVIEWと題した記事コンテンツを連載しており、出演アーティストの紹介やインタビュー記事を読むことができます。

富士祭電子瓦版

Snip20170222_1http://frf-en.jp/

フジロックの場合、フジロック・オフィシャルショップ岩盤が運営するウェブメディアが人気を集めています。コラムやインタビュー記事に加え、様々な外部メディアでフジロックに取り上げている記事をキュレーションするなど、盛りだくさんのサイトです。

FUJIROCKERS.ORG

Snip20170222_3

http://fujirockers.org/

またフジロックの公式ファンサイトも、本体のフジロック公式サイトからリンクが貼られており、ファンがファンを呼ぶ仕組みが出来上がっています。元々はフジロック公式サイトに設置されていた掲示板BBSが原型となっているファンコミュニティです。

コンバージョン後も継続したマーケティングがファンを育てる

このマーケティングの素晴らしいところは、単なる販促としてだけではなく、チケットを購入した人でも継続的にフェスに向けてワクワクできることにもあります。
例えばフェスでは「大人気のヘッドライナーに惹かれてチケット購入を決めたけど、他に知っているアーティストがいない!」という人も多く来場します。しかし知らなかったアーティストの紹介記事や当日の楽しい過ごし方などを紹介する記事を読んでいれば、その来場者の当日の行動は変わり、最終的な満足度が違ってくるのではないでしょうか?

ステージの回り方や、会場での時間の使い方は人それぞれであり、スケジュールを考えている時点でもワクワクしてしまうものです。事前に見たいアーティストが増えた、美味しそうなフェス飯を知れたなどの体験が増えれば、どんどんフェスが楽しみになってきます。

マーケティングや広告の終着点をコンバージョンのみに絞るのであれば、チケットを買ってもらった時点で終了です。しかし、発表から当日までファンを継続的に楽しませることで、購入者をファン化しロイヤリティを上げていくことができます。
実際に当日来場した際に味わう体験の質が高ければ高いほど、リピーターが増え、長期的なファンが育ち、ライフタイムバリューも上がっていくのです。

単に「チケット販売数を上げる」という施策ではなく「ワクワクを持続させる」「当日の楽しみを最大化する」という長期的なWebマーケティングが、多くの夏フェスファンを生んでいる理由の一つではないでしょうか?
あぁとにかく今年も楽しみです!フジロックで僕と乾杯しましょう!

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エモジマ

1991年生まれ神奈川県出身。LAにあるMIという音楽のカレッジでDIYマーケティングを学ぶ。ウフルのマーケティングソリューション部で働くコンサル兼ミュージシャン。街と散歩とらーめんと布団と枕が好き。
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