人気急上昇の”写ルンです”から読み解くノスタルジックマーケティング

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みなさんこんにちは!学生時代テナーサックスを吹いていたのですが、最近また始めようと躍起になっているさぬきです。おすすめの楽団や、「うちへ来いよ!」という方がいらっしゃいましたらご連絡ください。(コンクールに出たい!)

ところでアイキャッチの写真、何で撮ったか分かりますか?タイトルにもなっているのでお気づきかと思いますが、“写ルンです”です。みなさんは最近いつ“写ルンです”を使いましたか?今“写ルンです”は若者の間でブームになっているのです!ひそかに私もブームに乗っかって“写ルンです”使ってます。(Photo by @crohnduck

なぜ今“写ルンです”なのか

この記事を読んでくださっている方は「懐かしいな~」なんて思う方が多いと思います。私も小学校の修学旅行で2台持ちしていましたが、きっと今の10代の子は知らない子がほとんどではないでしょうか。その状況で今、なぜ、“写ルンです”がブームとなっているのか!

まず一つ目に、“写ルンです”は2016年で30周年を迎えました。つまり2016年はアニバーサリーイヤーだったわけです。30周年を記念した特設サイトでは、“写ルンです”が誕生した年から現在まで、その当時流行した曲などを交えてその歴史を紹介しています。

二つ目は、初めて持つ携帯電話がiPhoneという世代は当たり前のように綺麗に撮れるカメラに慣れ親しんでいるので、“写ルンです”で撮る写真の絶妙な色あせ具合や画質の粗さが新鮮なのだと思います。

そして、“写ルンです”を知らない世代と“写ルンです”の接点になっているのが、InstagramやTwitterなどのSNSです。若い世代は今や情報収集で真っ先に利用するのはSNSで、カメラに関心のある人や芸能人が“写ルンです”を使っているのをSNSで知り、自分も使うという流れが出来ています。

現代では味わえないアナログ感

“写ルンです”の特徴の1つに、撮った写真は現像して初めて見られるという点が挙げられます。コンデジや撮ってすぐ加工ができるiPhoneと違い、現像して出来上がるまでのドキドキ感が現代では逆に新鮮なのだと思います。今となってはこのちょっとした手間が、まるで我が子を待つようで愛おしく感じられますね~。
また、一眼レフやデジカメと比較すると使い捨てで(リサイクル可能)価格も1,000円前後という手軽さも人気を後押ししているのではないでしょうか。

“写ルンです”を再び人気者にできたワケ

ピークの1997年では総販売数6,867万本売り上げていたものの年々減少し、2012年には年間販売数は430万本にまで減少しました。それが2015年ごろから下げ止まりの傾向が見られ始めたそうです。その背景として、Instagramによる写真ブームが大きく影響していると思われます。

Instagram内「#写ルンです」検索結果(7月21日時点)

Instagram内「#写ルンです」検索結果(7月21日時点)

この9枚を見ただけでもなんだかノスタルジックな気分・・。

プロの写真家として有名な奥山由行さんも“写ルンです”で撮った写真を載せているように、再ブームに大きな影響力を持っていると思います。

Instagramでも“写ルンです“で撮影した写真を載せられることにお気づきでしょうか?今”写ルンです“で写真を撮ると、フィルムでも貰えるし現像時に注文すればデータ化してCDに焼いてもらえます。SNSにアップするのが主流となっている今、きちんと時代に合わせてデータ化できるように進化しているのです!

リアルでの情報発信

“写ルンです”はSNSでの拡散力も大きく影響していますが、もちろんSNSの力だけに頼っているわけではありません。30周年を記念したアニバーサリーキットの発売や、先ほども触れたカメラマンである奥山さんやアニメの『おそ松さん』とコラボするなど、新しい取り組みも行っているのです。

また2017年7月15日~7月21日まで『「写ルンです」で、あの人は。』という小さな展示会を開催していました。今の“写ルンです”を支える若い世代のクリエイター目線で撮影した東京の街を写真で伝える。このようなイベントが、流行に敏感・関心がある人に刺さるのです。(私も行ってきました!!)“写ルンです”を多くの人に手に取ってもらおう、という気持ちが伝わってきますね。

7月15日~21日開催「写ルンです」で、あの人は。

7月15日~21日開催「写ルンです」で、あの人は。

まとめ

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エモジマさんが以前書いていた通りレコード人気の再燃や、aiwaの復活で賑わうラジカセ市場など、懐かしい昭和の製品を蘇らせたり復古調のデザインを取り入れたりするノスタルジックマーケティングによる話題が徐々に増えてきています。“写ルンです”は現代に合わせたデジタル化が可能という側面を持ちつつ、製品自体の“現像するまで撮った写真が見られない”という即時性が求められる現代とのギャップをあえて残すことで新鮮さを創り出しています。

今の若者にとって大事なのは、モノが古くても新しくても関係がなく、“私たちにとって新しいもの”なのではないでしょうか。私たち働く世代にとって「懐かしい」というものが、若い世代には新鮮に感じられるということは多く存在します。「懐かしさ」は今後重要なキーワードとなっていくでしょう。過去のヒット商品や流行を振り返ってみると、化学反応を起こし新しいサービスが生まれるかもしれません。

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さぬき

居酒屋ではだし巻き卵とエイヒレを必ず頼む1993年生まれの青森系女子。女性目線でのマーケティングをできるよういそいそと勉強中。流行り物はとりあえず好きになる。今年の目標は”丁寧な生活・いい暮らしをする”こと。
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