■プロダクト・プレイスメントとは
プロダクト・プレイスメントという言葉をご存知でしょうか?
映画などのコンテンツで実在の商品や企業が登場するもので、広告とコンテンツが完全に切り分けられていないもののことをこう呼びます。「プロダクト(商品)をコンテンツの中にプレイスする」という意味です。ハリウッドでは、ジェームス・ディーンが映画で使っていた髪をとかす櫛に問い合わせが殺到したことから映画でよく使われるようになったそうです。
その他の用例はWikipediaを御覧ください。たくさんあります。
プロダクト・プレイスメント(英: product placement)は、広告手法の一つで映画やテレビドラマの劇中において、役者の小道具として、または背景として実在する企業名・商品名(商標)を表示させる手法のことを指す。プロダクト・プレイスメントとも表記されるほか、略してP.P.(もしくはPP)ともいう。
なお、劇中の犯罪者や嫌われ者の悪者が使用している場合[注 1]は、逆効果にもなりえる。これを意図的に行うことでイメージダウンを狙うものは「アンチ・プロダクト・プレイスメント」と呼ばれる[1][注 2]。「逆プロダクトプレースメント」という用語は既に作成された映画やドラマのシーンをCMに流用する手法を指す。
実はアメリカ映画で使われる前から、江戸時代の歌舞伎の演目で「外郎売(ういろううり)」というものがあり、その中で実在の薬の宣伝をしていたとのことです。ストーリーと関連性があればそれが広告でも聞いてしまいますよね。
つまるところ、「人が集まる場所には広告が生まれる」ということ、そして「ストーリーの中に自然に商品があることが人の興味をくすぐる」のだと考えます。
では続いてデジタルマーケティングにおける広告はどういう状況なのでしょうか。
■デジタルマーケティングにおける広告の現状
ご存知Google。検索結果というコンテンツの中に関連性の高い広告が表示される仕組みです。
SNSとして人が集まるようになった結果、広告が表示されるようになりました。こちらもGoogleと同じように、利用者に関連性のある広告が表示されます。
・SmartNews
記事と記事の間に記事と同じ枠で広告が表示されています。メディアが商品を紹介している記事とも広告とも取れるものは「広告」タグはついていなかったりします。むしろどっち付かずのものほどプロダクト・プレイスメントの概念に近い気がします。
(図:コンテンツと同じ枠で広告が表示されるイメージ)
いずれもコンテンツの「中」もしくは「連続」で広告が表示されますが、コンテンツと関連性の低い広告が表示されることもありますし、コンテンツ自体にはストーリー性が存在しません。そのため、どうしてもコンテンツと広告の違いがユーザーに伝わりやすく、そして広告に対する拒否反応も起こりやすくなってしまっています。
ちなみに同じデジタルでも、ゲームにおいては、ゲーム中に実在企業の商品が登場することはあります。メディア広告とは違いコンテンツ自体にストーリー性が強いため、世界観を壊さない範囲で、比較的自然に入れ込むことができるからです。
デジタルマーケティングの課題
・同じ枠でも気になる
・コンテンツとの関連性が弱いことも多い
・関連性が弱いほど、広告に対する拒否反応は強くなる
・自然/ストーリー性が重要
と、いうわけで、ことデジタル上の広告にはまだまだ課題が多いです。よりユーザーに寄り添う形で、ブログ記事のようなコンテンツに近い広告を作る「コンテンツマーケティング」という手法もありますが、残念ながら「プロダクト・プレイスメント」の領域には達していません。
■まとめ
先日、猛暑日にランチで外出した帰りに「いまアイス手売りされたら買うなあ」と思うことがありました。もはやそれは人生というコンテンツのストーリー中にプロダクトが配置されるようなもの。コンビニにいけば良いものの、最適なタイミングで最適なものが提案されたら自然と買いやすいです。
最近では、店舗のデジタル化や IoT によるリアルワールドのデジタル化が進んでいますので、現実世界そして各人の人生というストーリーの中にプロダクト・プレイスメントが実施される時代が来てしまうかも?
デジタルマーケティングの今後に期待ですね!
フルタ
最新記事 by フルタ (全て見る)
- Marketing Tips:マーケティングがつくる「新常識」とは? - 2018年4月18日
- 【顧客体験向上】店舗のデジタル化による重要な2つのメリット - 2018年3月14日
- Marketing Tips:顧客に品質を伝える方法とは? - 2018年2月7日