とうもろこしの唐揚げを食べたことはありますか?
小麦粉をまぶして揚げて、砂糖とバターと醤油のシンプルなタレにからめて完成。居酒屋なんかでたまーに置いています。そしてうまい!
食べたことある!という方、では作ったことは?
筆者は居酒屋で食べて感動したあと、家で自作してみたことあるのですが、想定外の事態に。
ポンポンはじけて非常にあぶない!鍋蓋を盾として身を守りながら完成させました。 (そのときとうもろこしの唐揚げが世界一危険な揚げ物だ、と思いました。)
今回は、その経験をもとにサービスの本質を考察してみたいと思います。
■サービスを分類
こと飲食サービスを例にすると、以下のようにパターン分けすることができます。
1.自分で作れないから外で食べる |
2.自分でも作れるけど外で食べたほうが美味しいから外で食べる |
3.自分で作れるけど時間がないから外で食べる |
4.自分で作れて満足できるので家で食べる |
いままではどの飲食サービスもこのどれかに当てはまると思っていたのですが、新しいパターン「自分で作れるけど危険なので外で食べる」があったとは!
たとえば外食の王道のラーメン。「1」にしか該当しないかと思いきや、実際には醤油ラーメンくらいならそれなりのものが家でも自炊できます。
■材料(※1)
- 豚ひき肉(ラードがあれば尚良し)
- たまねぎみじん切り
- 味覇(ウェイパー)
- かつおだし顆粒
- 醤油
*麺・具は市販のものを購入
注意:これは株式会社ウフルが運営するマーケティングクラウドラボの記事です。
■手順
1.麺を茹でる
2.ザルにあける
3.鍋に※1の材料を投入する
4.5〜10分くらい待つ
5.醤油を適量入れる
6.麺を入れる
7.どんぶりに移す
8.具をのせて完成
注意:料理ブログではありません。
スープの基本を押さえているので結構美味しいです。たまにつくりますが、でもやっぱり外で食べるほうが美味しいので外でも食べます。なので、これは分類「2.自分でも作れるけど外で食べたほうが美味しいから外で食べる」。
ただし、同じラーメンでもとんこつラーメンになると話が変わります。とんこつラーメンを自炊できないかと調べたことがあったのですが、これは家でできるものではありませんでした。
1.寸胴を買う
2.げんこつを買う
3.げんこつをハンマーで砕く
4.げんこつを一晩煮る
続く・・・
まず寸胴でギブアップです。しかも臭いが何日もとれないらしいです。なので、これは分類「1.自分で作れないから外で食べる」に該当する、ということになります。
飲食に限らず、サービス業はどのサービスにおいても同様のパターンに分類可能です。
【サービス分類】
1. 自分でできないからサービスに対価を払う |
2. 自分でもできるけど品質が良いのでサービスに対価を払う |
3. 自分でもできるけど時間がないのでサービスに対価を払う |
4. 自分でもできるけど手間・面倒(もしくは危険)なのでサービスに対価を払う |
5. 自分でできて満足しているのでサービスを利用しない |
もちろん人によって「自分でできる/できない」は変わります。「醤油ラーメンが作れない」という人もいるし、「とんこつラーメンを自炊する」という人もいるでしょう。
そう、サービスの分類は「サービスを享受する顧客の主観による分類」なのです。
顧客がサービスをどう分類するのかは、それぞれのライフスタイル、年齢、性別、etc によって異なるため、サービスの提供者から見た場合どういった人をサービスの顧客として想定するかが重要になってきます。
では、どうやって顧客のタイプを決めていけば良いのでしょうか?
■ペルソナマーケティングとサービス設計
マーケティング用語に「ペルソナ」というものがあります。たとえば下記のように架空の顧客を想定して、その人にとって最適なコミュニケーション・サービス提供を実施するというものです。
ペルソナAさん
世田谷区在住28歳男性。金融会社勤務。スポーツ・音楽が好きで友人の数が多く休日はアウトドアを趣味とする。多忙なため時間を節約できるコトに対してお金はいとわない。
マーケティングにおけるセグメンテーションには大きく分けて「デモグラフィック属性」によるものと「サイコグラフィック属性」によるものがあります。デモグラフィック属性は性別、年齢、居住地域、収入、職業、学歴など人口統計的な属性です。
マスマーケティングの時代には、 このセグメンテーションで充分な側面もあったのですが、価値観が多様化していくにつれ、「デモグラフィック属性」は同じでも趣味嗜好がまったく異なる人に対するマーケティングアプローチが必要になってきました。
そこで登場するのがライフスタイルや行動タイプを示す「サイコグラフィック属性」です。
さらに、「デモグラフィック属性」「サイコグラフィック属性」をがっちゃんこした架空の個人が「ペルソナ」ということになります。
ペルソナAさん
世田谷区在住28歳男性。金融会社勤務。スポーツ・音楽が好きで友人の数が多く休日はアウトドアを趣味とする。多忙なため時間を節約できるコトに対してお金はいとわない。
【サービス分類】
1 自分でできないからサービスに対価を払う |
2 自分でもできるけど品質が良いのでサービスに対価を払う |
3 自分でもできるけど時間がないのでサービスに対価を払う |
4 自分でもできるけど手間・面倒(もしくは危険)なのでサービスに対価を払う |
5 自分でできて満足しているのでサービスを利用しない |
ペルソナAさんに対しては、サービス分類の「3」が最適なサービスということになるので、時間節約を売りにしたサービスを提供していくことになります。
まとめ
4月ということで、あたらしくマーケターになった方もいるかもしれません。自社のサービスと、それを提供する「ペルソナ」についてとうもろこしの唐揚げとラーメンを思いながら考えてみてはいかがでしょうか?
フルタ
最新記事 by フルタ (全て見る)
- Marketing Tips:マーケティングがつくる「新常識」とは? - 2018年4月18日
- 【顧客体験向上】店舗のデジタル化による重要な2つのメリット - 2018年3月14日
- Marketing Tips:顧客に品質を伝える方法とは? - 2018年2月7日