中国マーケティング情報(ウェブとかインバウンドとかをフワッと)その3

ぽちゃ
中国マーケティング
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どうも、最近女性運が右肩下がりのぽちゃです。

前回の話では、中国インターネットにおけるマーケティング施策の簡単な紹介をした。
今回はその中からSNS活用をピックアップし、爆買いの流れの解説をしようと思う。

中国インターネットにおけるSNS活用

この「SNS活用」という部分について、少し掘り下げてお話しようと思う。
さらっと「SNS活用」と書いたが、実はいくつかの意味や使い方を含んでいる。

中国において、SNSに分類されるサービスとしては「微信(ウェイシン)」「微博(ウェイボ)」「百度贴吧(バイドゥティエバ)」「Qzone」「人人网(レンレンワン)」あたりだろうか。
特に企業利用が顕著なのが「微信」「微博」の2つである。
※ちなみにSNSとは違うがエンドユーザーとのコミュニケーションという意味では、微信やQzoneを提供しているテンセント社の「QQ(skypeのようなメッセージングサービス)」も企業利用が多く、オンラインのリアルタイム問い合わせ窓口として活用しているECサイトが多い。営業時間内であればサイト上からチャットで担当者とコミュニケーションできるというのが中国では一般的になりつつあるようだ。(ECサイトの場合、値切り交渉も当たり前のようにあるらしい。)

さて、「微信」「微博」だが、前述の通りそれぞれ「LINE」「Twitter」に相当するサービスと考えてもらって間違いない。企業の利用方法としても、自社の情報発信、顧客(潜在、顕在)とのコミュニケーション/エンゲージメント向上というところが1つの目的である。

こんなのは「普通の使い方じゃないか」と思う方が大半だと思う。
ただ、実はこの顧客とのコミュニケーションというのが日本と比較して非常に重要なのである。
連載第1回目で述べた中国人の文化・国民性というところを思い出して欲しい。
そう、彼らは非常に「猜疑心が強い」のである。
そんな彼らが信じるものは何だろうか。
1つは「親族、身内」、そしてもう1つは多くの人の信を集めているものと言われている。
この後者については「どういうこと?」となるかもしれないが、簡単に言うと「多くの人が良いと言っているもの」ということである。
そして、その「多くの人」というハードルは情報の発信元がオフィシャルな情報であると少し下がるというところも特徴だ。

面と向かって話をしても疑ってかかる彼らからすると、インターネット上の情報を鵜呑みにするなどはもってのほか。それも発信者が知りもしない一般人であれば尚更である。インターネットを使った情報発信が効果的な市場でありながら、その発信した情報を信じてもらうまでのハードルが非常に高いのである。

ということはつまり、

・企業が公式アカウントを開設し、きちんと認証マークを取得する(もしくは公式であるという信用を得る)※1
・自社アカウントを多くの人に良いと言ってもらう(ファンを集める)
・多くの人に良いと言ってもらっているアカウントに自社(製品・アカウント)を良いと言ってもらう

ということが重要であり、このようになって初めて中国においてSNSで情報発信をすることが有効になって来るのだ。

※1:Twitterの「認証済みアカウント」などと同じ仕組である。
なお、微博では海外法人であっても然るべき手続き(会社の謄本などが必要)によって認証マークが取得できる。しかし、微信は原則として現地に法人が存在しないと認証マークが取得できないようになっている。微信の認証マークが必要な際には、現地法人とSNS運用代行などの契約をして現地法人に認証マークを取得してもらう(これも結構グレーゾーンである)か、プロフィールや情報発信において可能な限り「本物である」と確信してもらえる情報を提供していくしかないと思われる。

さて「SNSにはいくつかの使い方がある」と書いたが、もう1つの活用方法がある。
前述の内容とも関連するのだが、中国のSNSにも多くのフォロワー/ファンを持ち、影響力の大きなアカウントが存在する。いわゆるインフルエンサーである。中国ではKOL(ケー・オー・エル:Key Opinion Leader)と呼ぶことが多い。
このKOLを活用して情報発信をしたり、ファンを獲得し、最終的には購買行動につなげていくというのがもう1つの活用方法である。
日本でもインフルエンサーに対して働きかけるということは行われていると思うが、KOLを活用した施策ではもっと直接的で、一定の対価を渡した上で商品レビューなどを掲載してもらったりすることが可能である。

訪日中国人観光客の爆買いに向けて

ここまで国民性や文化、インターネット自体やSNSの特徴などを見てきた。
それらを踏まえた上で実際に中国人の購買行動(特に爆買いなど訪日時およびその後)にフォーカスして、訪日客に対してどう攻略していけば良いのかという話に入りたいと思う。

まず、結論というか核心の部分を述べておこう。
訪日中国人の購買行動は以下のようなパターンだと言われている。
chart004

最近は中国人の爆買いの解説をしている記事も多くあるので、他サイトでもこのような情報を見かけたことのある方もいるのではないだろうか。
そして実際これが本当に正しいのかというところであるが、知人の中国人女性の麗ちゃん(上海在住、27歳、独身、めっちゃカワイイ、筆者との関係は秘密)から聞いた話では、概ねこのようなパターンで間違いなさそうである。
前述してきたように中国人が何を信じるのか、信じるにあたって何を重要視しているのかなどから考えてみても、この行動パターンは納得のところだと思う。

購買行動のポイントとしては以下の通りだ。


・ソーシャルバイヤーにピックアップしてもらうこと・それらに良いクチコミが多くつけられ、拡散されること
・実際に訪日し購買したユーザの良いクチコミが拡散されること


「ソーシャルバイヤー」というのは聞き慣れない単語かもしれないので、簡単に説明しておこう。
ここで言うソーシャルバイヤーとは、在日中国人で日本の商品をタオバオなどを通じて中国本土のユーザに販売しているアカウントのことを指している。多くのファン/フォロワーを持ち、消費者に対して一定の影響力を持つソーシャルアカウントだ。ちなみに、彼らは元々何かしらのブランドの熱狂的なファンであったり、特定の商品カテゴリのスペシャリスト(知識・情報量などの面で)であることが殆どである。
(故にソーシャルバイヤーという影響力のあるポジションにいると言える。)
つまりソーシャルバイヤーとはKOLと呼ばれるアカウントの中の1つの形態と考えていい。

なお、本稿においてこの結論から話し始めても良かったのだが、これらの背景にある文化やインターネットサービスの特徴などを押さえておくことは、最終的なこの購買行動への理解が深まると考え、少し長くなったが前段のような説明をしておいたことをご理解いただきたい。

話を本筋に戻して、購買行動を最終的な「購買」に近い方から紐解いていくと以下の通りである。

chart005

購買における意思決定で重要な要素としては「良いクチコミを多く得ること」ということであり、その為にはKOL(ソーシャルバイヤーを含む)が好意的に商品を取り上げてくれることが「近道」であるということが分かると思う。
最後のソーシャルバイヤーの部分について、( )で書いていること、前の文章で「近道」と表現しているのは、必ずしも必要であるわけではないからである。最終的には「良い口コミを多く」ということが買い物リストに入れてもらうことに一番影響があるということなので、KOLにピックアップされなくてもオーガニックに良いクチコミが多く集まるというのがベストな流れである。

しかしこのハードルは非常に高く、オーガニックにクチコミが集まるよう過大なコスト(手間・時間)をかけるのも非効率である。私の経験や、前述してきた通り中国人の文化や国民性を踏まえて考えると、KOLを活用するということが一番効率的だろう。
事実、KOLを活用したマーケティング/プロモーションを実施している企業は数多く存在することが、このことの裏付けとも言える。

ここまで説明してきた購買行動パターンから見える重要なポイントを踏まえ、施策に落としこむ際に意識すべきことは以下の3点と言える。


・ソーシャルバイヤー/KOLへのアプローチ
・クチコミの誘発
・クチコミの拡散


次回はこの3点を踏まえた施策例を具体的なデータを見ながら紹介しつつ、本連載を締めくくりたいと思う。

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ぽちゃ

ぽちゃ

静岡県出身。既婚。38歳。職務としてはマーケティング企画営業、WEB制作・開発などを実務からマネジメントまで浅く広~く経験。 信条は「恋愛はマーケティング」。テストマーケしまくったら痛い目を見たので封印。が、気を抜くとすぐ封印が解けて反省の繰り返し。 女性からよく頂戴する褒め言葉は「ヘンタイ」。趣味は猫を愛でること。
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