■新しい常識
10年ひと昔とはよく言ったもので。
10年前にはなかったものがリリースされたり、それによって10年前にはなかった新常識・購買体験・新しい文化が根付いたりしています。また、IoTやAI 、RPA(ロボットによる業務自動化)などによってこれからの10年も大きく変わりそうな気配を見せています。
時代が変わればその都度常識が変わるということで、今回は「常識」とマーケティングのお話です。
人が10人集まれば10通りの常識がありますが、それは性別や育った文化にもよりますし、世代にもよります。
ある世代には古い、または懐かしいものでもより若い世代にとっては新鮮なものもあり、商品やサービスにはある程度繰り返すトレンドのサイクルが存在します。(ファッションの「10年サイクル」がわかりやすい例かと思います)
それではそういったトレンドサイクルの例としてどんなものがあるでしょうか。
■商品、サービスの歴史のサイクル例
サードウェーブコーヒーというトレンドがあります。スターバックス、タリーズ、ドトールなどの均一価格のチェーン店が台頭している(≒主流である)なか、個人店でそこでしか味わえないコーヒーを出すということが新たなトレンドになりました。が、実はドトールもその昔新たなトレンドを作ったパイオニアでした。
ドトールコーヒーの展開当時、喫茶店は個人商店が多く、一杯の値段も300円以上と安くはありませんでした。その時代にドトールは、立ち飲み、かつセルフ受取で回転率向上、標準化によりコストを削減し当時としては驚きの一杯150円を実現したそうです。また、そのノウハウを展開しチェーン店として店舗を増やしていきました。ここから同形態のチェーン店が増えていき、その後は海外からスターバックスやタリーズなどのチェーンも日本に参入しています。
時代ごとに新常識を作るサイクルが繰り返されていると考えられないでしょうか。
アパレル業界の例 :
飲食業界に限らず、アパレル業界でも同様のサイクルはあります。
もともとはテーラーがいるお店でオーダーメイドすることが当たり前だったスーツ市場で、いつからか既製品を大量生産して価格を安く均一化したスーツメーカーが店舗を拡大していきました。
いまや既製品のスーツを買うほうが主流(常識)になっているかと思います。そうなるとまた逆の流れも出てきて、最近はオーダーメイドをサービスに追加するスーツメーカーやアパレルブランドが増えてきましたね。
以下のバックナンバーでも、その世代にない「常識」が興味をそそり、懐かしいものを流行させる事例が記載されています。ご興味ある方はこちらもあわせてご参照ください。
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なお、リアルのマーケティングにとどまらず常識やトレンドはデジタルマーケティングにも存在します。
■デジタルマーケティングのこれまでの常識と、これからのトレンド
インターネットが普及する前にはリアル店舗しかなかったところに、ECという新たなチャネルが登場しました。そして、昨今ではまた逆の流れとして店舗に焦点をあてた「店舗のデジタル化」がトレンドとなりつつあります。
これまでデジタルマーケティングにおいては、顧客が店舗で購買したかどうかは判定できても、来店はしたけど購買しなかったことが判定できませんでした。
今ではスマホアプリやBeacon・NFCなどの技術によって「来店したけど購買しなかった人」を判定し、アプローチすることも可能になってきています。
Amazon Go では誰がどの商品をいつ何個手に取って買わなかった、または買った、まで自動判定しているようですね。
■まとめ
デジタル化された店舗が当たり前になったら、今度はオフラインを売りにした店舗がトレンドになったりすることも、あるかもしれませんね。今後のマーケティングの進化が楽しみです。
読者のみなさんも今の常識にとらわれず、新たな常識を作るつもりでマーケティングしてみてはいかがでしょうか。
(今回は少し壮大なテーマになってしまいました!)
ではまた次回に。
フルタ
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