今年は、かの有名なRPGドラゴンクエストの生誕30周年とのことで、いろいろとイベントなども盛り上がっているようですね。すぎやまこういち氏作曲の、あのメインテーマが、すぐ頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか?
そんななか、販売や人事といった企業戦略に「ゲーミフィケーション」を取り入れて成功する企業も出てきて、今注目されています。
さて、某ショッピングサイト担当の二人も売り上げ向上策に頭を悩ませているようで……。
これなんか、いい商品なのにどうして売れないんだろう?
せっかく一度買ってくださったお客さまが、なかなかリピーターにならないのはなぜ?
なに?竜王を倒しに行きたいとな?立派な心がけじゃ。
今はこんなコスプレオヤジの相手をしている暇はねえんだよ。
売り上げの向上に悩んでおるのじゃろ?それなら、「ゲーミフィケーション」を取り入れてみてはどうかの?
「ゲーミフィケーション」とは、ゲームの考え方やデザイン・メカトロニクスなどの要素を、ゲーム以外の社会的な活動やサービスに利用するものじゃ。
あー、無理無理。そんな金ねーよ。しかも昼飯食べてねーから、腹減りすぎて死にそうだよ…。
おお、まさひこ!死んでしまうとは情けない。そもそも「ゲーミフィケーション」はゲームを作ることではなく、ゲームのしくみを他のサービスに活用することなのじゃ。
* * *
ゲーミフィケーションの技術:可視化、レベルアップ、目標、不足感
例えば、飲食店などで、来店時にカードにスタンプを押してくれるサービスなどは、見たことはないかの?
このカードの場合は、「ゲーミフィケーション」における、可視化、レベルアップ、目標、不足感などのさまざまな技術が使われておるな。
【築地 銀だこ スタンプカード】
でも、このスタンプカードがあると、ついついポイント貯めたくなっちゃうよね!あーん、たこ焼き食べたくなってきたあー。
そう言うと思って、おみやげじゃ。まずはこのたこ焼きでHPを回復させるがよい。
もぐもぐ…。それでさっき言ってた「技術」ってどういう意味なんだ?
ゲームの要素技術のことじゃよ。いろいろとあるのじゃが、まずは「可視化」じゃな。例えば今何ポイントたまっているか、ひと目でわかるようになっておる。
RPGとかでも、今どれだけ経験値がたまっていて、レベルアップまであといくつためれば良いかがわかっているから、思わず徹夜してでもやりたくなってしまうのかも~。
そんなの当たり前だと思っていたけど、現状のステータスが「可視化」されているからこそ、次のアクションを起こしたくなるっていうのは確かにあるな。
このカードでは、赤⇒銀⇒ゴールドってレベルが上がるみたいだな。
レベルが上がると少ないポイントで商品と交換できるのね。
その特典ほしさに、ついつい「レベルアップ」に励むわけじゃな。
そして、「目標」っていうのは、とりあえずこの20個ってやつかな?
そうじゃ、そしてその「目標」への道筋が「可視化」されているから、がんばれるのじゃ。
このカードはまだ空白の方が多いのじゃが、だんだんスタンプが増えてきて、あと1つでいっぱいになるとしたら?
人間、あと少しでそろうってときには、それを埋めたくなるもんじゃ。
ゲシュタルト(全体性)ね!よく言う「ゲシュタルト崩壊」はその全体性が崩れて、部分部分でしか認識できなくなる現象のことよね。
うぉっほん。まだまだ話は続くのじゃが、さて、皆の者、そろそろ疲れたじゃろ。一旦宿屋でHPとMPを全回復してくるが良い。ふぉっふぉっふぉっ。
どうやらこのおうさま、かなりマイペースのようですが、「ゲーミフィケーション」まだまだ続きます。
次回をお楽しみに。
<参考文献>
ゲーミフィケーション ―<ゲーム>がビジネスを変える(井上明人)
ゲームにすればうまくいく ―<ゲーミフィケーション>9つのフレームワーク(深田浩嗣)
顧客を生み出すビジネス新戦略 ゲーミフィケーション(神馬豪/石田宏実/木下裕次)
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神奈川県出身。一橋大学社会学部卒。中小企業診断士。NTT、セガ等を経て現在ウフル・マーケティングクラウド本部に所属。勘だけに頼らず、定量的な根拠に基づくWebサイト運営を是とするPDCA-Webマーケター。その一方で星座の世界を好むロマンチストでもある。禁煙には成功したが、ダイエットは成功の糸口さえ見えない今日この頃である。