飲料のラベルに「果汁○%」、「採れたて○○」、「朝摘み○○」とよく書いてありますよね。
でも、これについてあまり考えずに買う人のほうが多いのではないでしょうか。あとあと商品開発者の記事を読んで「ホントに朝摘んだもので作ってるんだ!すごいね!」となることがあるほどです。
文字情報は優れていますがときに限界があり、たとえばもしフルーツウォーターがコンビニの棚に並んでいたとしたら(海外ではスーパーでも販売してたりする、らしいです)、視覚で「新鮮さ」が一目瞭然です。筆者はこのフルーツウォーターの存在を知ったときに「情報をどう伝えるかが重要」だというのを再認識してしまいました。
本当に新鮮かどうかは置いておいて、「新鮮そう!」という認知で言えばやはり右の情報に軍配があがるかと考えます。
■情報デザインという考え方
情報伝達の方法論または思考アプローチとして、「情報デザイン」という考え方があります。
情報デザイン(じょうほうデザイン、英: information design)は、人間とモノや環境との関係性にかたちを与える方法論、生活の中にあふれる無数の情報をわかりやすく提示する手法、あるいは、それらの考え方。
( 出典:Wikipedia )
たとえば以下の方法になります。
1.情報を減らす
:情報が多い場合は減らす
2.情報を増やす
:情報が少ない場合は増やす
3.見せ方(情報の伝え方)を変える
:文字情報を画像に変更、文字を強調、など
4.見せる(情報を伝える)タイミングを変える
:時間を変更する、など
5.見せる(情報を伝える)場所を変える
:いままでとは異なるところで見せる、など
身近な例で言うと、ビジネスメールで日常的に行う以下の方法も情報デザインにあてはまります。使うことで相手への伝わり方が大きく好転した経験、ないでしょうか?
- 箇条書きにする
- 表にする
- 順序付けして並べ替える
■情報デザインの例
1.情報を減らす例 ‐ たとえば「ABCマート」のセレクトショップ
在庫として持っている商品は通常のABCマートとおそらく同じだけど(※筆者の想像)、そこから絞って店頭配置することで、顧客にとっては商品を選びやすくなります。企業側には小さい店舗スペースでも出店できるという利点もあります。
2.情報を増やす例 ‐ たとえば「ヴィレッジヴァンガード(Village Vanguard)」、「カルディ(KALDI)」
小さい店内にあえて所狭しと商品を陳列することで、顧客にとって多数の商品から自分がほしいものを探索するワクワク感を作っています。
3.見せ方を変える例 ‐ たとえば「タワーレコード」、アパレルショップ
タワーレコードでは店内で大きな音量でしっかり音を出すことで、曲の持つ良い音を最大限に引き出しています。買うつもりがなかったのに買ったこともありますし、家のスピーカーで聴いて「あれ?」となったこともあります…。
また、洋服屋さんでも照明を使って試着したときの見え方を良くする工夫がなされていたりします。
4.見せるタイミングを変える例、5.見せる場所を変える例 ‐ たとえば鰻、ラーメン屋さん
わざと店外に換気口を向けることで本来食べる前に得る「美味しそうな匂い」という情報を店外で届けています。それによって来店を誘っているわけです。
上記のように、小売の現場においても情報デザインが潜んでいるわけですが、では、デジタルマーケティングと情報デザインにはどんな関係があるのでしょうか?
■マーケティングと情報デザイン
情報デザインの考え方はマーケティングにおいて必須のアプローチです。特にデジタルマーケティングが当たり前になった昨今においては、情報デザインなくしてマーケティングは成長できないと言っても過言ではありません。
うまくデザインすれば、以下のストーリーが実現するわけですね。
■オムニチャネルの情報デザイン
弊社が導入しているマーケティングツールにCCCM(クロスチャネル・キャンペーン・マネジメントシステム)というものがあります。広義のマーケティングオートメーションツールです。
企業と顧客との接点はメールにはじまり、Webサイト・モバイルアプリ・LINEと多岐に渡ってきています。それにより、チャネルそれぞれに最適な情報の種類、見せ方・タイミングをデザインする必要性も高まってきています。
CCCMは簡単に言うなら、顧客接点ごとの最適な情報デザインを実現するためのお役立ちツールです。CCCMについてもっと知りたい方は過去のこちらの記事もあわせてお読みください。
フルーツウォーターでも飲みながら、それぞれの顧客接点の情報をデザインしてみませんか?
今回のお話はここまで!
(ちなみにウフルでは残念ながらフルーツウォーターの導入はしていません、あしからず。。。)

フルタ

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