#逃げ恥 ブームから、コンテンツの楽しみ方の多様化と評価方法を考える

逃げ恥
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ガッキーのかわいさは犯罪級。

おっと失礼しました、独り言がつい声に出てしまいました。
こんにちは、今日も元気なエモジマです。
以前さぬきさんの記事でも取り上げましたが、やはり「逃げ恥」は面白い。もうすごい面白い。ソーシャルでの反応も凄まじいです。(以下ツイート参照)

ええ、私です。
前回の記事では「恋ダンス」に注目していましたが、今回はドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」ブームについて様々な視点から見ていきたいと思います!

話題量と視聴率の関係

「逃げ恥」話題量   ※集計期間:9/20~12/20(最終回放送日まで)

こちらが「逃げ恥」に関する投稿数の推移。いつものようにSocial Studio(Radian6)による分析です。
最終回に向け、ドンドン話題量が伸びています。ここまでわかりやすいグラフだと清々しいですね。
放送日にそれぞれピークを形成していますが、最終回に近づくにつれ平日でさえ第1回放送の時に出来たピークよりも話題量が多いという状況になっています。
※今回は「逃げ恥」といったタイトルキーワードに加え、放送中の実況ツイートも取りたいため「平匡」「みくり」といった登場人物名や「ガッキー」「星野 源」といった役者さんの名前、「恋 ダンス」といったバズワードまで全て含めてみました。

「逃げ恥」視聴率   ※ビデオリサーチ調べ(出典

そしてこちらが各回リアルタイムの視聴率。

放送日毎の話題量と視聴率のグラフ

視聴率の伸び幅に対して、必ずしも話題量と正比例するわけではないというのは以前真田丸の記事でも紹介しましたが、「逃げ恥」に関してはわりと素直な推移になっていると言っていいでしょう。

出遅れた後追い組を巻き込むコンテンツ

なぜここまで「逃げ恥」ブームは拡大していったのでしょうか?さまざな要因がある中で、僕が注目したのは、「出遅れた人達を巻き込むコンテンツ力」です。

まず「恋ダンス」。わかりやすい1分ちょっとの動画で、みんなが真似して拡がって行くバイラルコンテンツとなりました。

アメリカ大使館verも公開されるほどです。

公式SNSアカウントもフル稼働。

ドラマのちょっとした裏話や、

放送に向けたカウントダウン画像もアップされ、期待感を煽っています。

放送終了後非公開となっていますが、毎週の次回予告と「恋ダンス」フルバージョンの動画や、既に放送した回のダイジェストがTBS公式YouTubeチャンネルで公開されていました。

また、オンデマンド配信も大きな役割を果たしていました。民放公式テレビポータルTVerなどを利用すれば、見逃した番組の再配信を見ることができます。スマホアプリが配信されているので、移動中などでも楽しむことが可能です。
放送後一週間は前回放送分を無料で視聴することができ、それ以前の回も有料で配信されています。
これにより火曜の10時に家にいることが難しい人でも、「逃げ恥」ブームに参加できる。テレビが家にない人ですら、毎週ドラマを見ることができるのです。
放送の最後には「この番組をもう一度見たい方はTVerで」というアナウンスが流れ、見逃した人だけでなくリピーターも巻き込んで利用されています。
「逃げ恥」放送後にTVerのアプリがAppStoreのランキングで急上昇するという報告もあるほどです。※1
※1 参考:後から番組が見れるTVerアプリへの「逃げ恥」効果

ブームになることで獲得した後続のファンをキャッチアップするコンテンツを充実させ、単に「話題になっている」から「次の回はリアルタイムでも見てみよう」という流れを促していたのではないでしょうか?
回を重ねるごとにその勢いが膨らんでいき、ここまで大きくなったと考えられます。

Twitterがお茶の間化している?

12/13 時系列グラフ

こちらは12/13(第10回放送日)の時間毎の話題量推移。これを見ればわかるように、1番投稿されているのは、実際に放送されている22時台です。
この時間帯に実際に投稿されている内容を見てみましょう。

このようにテレビでドラマの内容を見ながら、感想などを実況する人が続出しています。

この実況ツイートは、原作者の海野つなみさんまでもが参加しています。

これは僕です笑
実況ツイートの多くは「#逃げ恥」というハッシュダグをつけて投稿されていることも注目ポイントですね。

SNSが普及する以前、ドラマやテレビ番組といった共通の話題というのは、放送翌日の学校や会社で「昨日の〇〇見た?」というように直接的な会話のタネとして共有されてきました。
Twitterなどの普及で不特定多数とのリアルタイムでのコミュニケーションが可能になり、SNS上にいる仲間と一緒にお茶の間でテレビを見ている感覚が味わえます。
SNSを介したパブリックビューイングのような感覚で、テレビドラマをみんなで一緒に見るという楽しみ方をしている人が、実は多くいるようです。
(以前金曜ロードショーで放送される『天空の城ラピュタ』のクライマックスに合わせて「バルス」と一気に呟かれ、Twitterが落ちるなんてこともありましたね笑)

このようにソーシャルメディアの投稿を覗いて見ると、視聴率のように何%の人が見ているか?という定量的な反響だけでなく、どういったところが面白いと思われたのかといった定性的なモニタリングができるのではないでしょうか。

コンテンツを評価するさまざまな指標を考える

テレビドラマの評価指標の1つは視聴率。どれだけの人にリアルタイムで見られているかという指標で、昔から長く使われている方法です。
しかしテレビドラマの楽しみ方も多様化してきたこともあり、今年11月よりビデオリサーチは「総合視聴率」というバロメーターを新たに発表しました。
「リアルタイムで観た人」と、「録画で観た人」を足し合わせ重複分を引いた数値を総合視聴率としています。※2

テレビドラマをオンデマンド配信している局は多く、テレビ自体を介さない動画配信の再生回数もコンテンツ評価の指標の1つになり得ます。YouTubeの動画再生回数や、Instagramのフォロワー数なんかもドラマの反響を推し量る上で1つの基準になるとも考えられます。
また上に紹介したようにソーシャルリスニングによるSNSの反響調査も、番組評価における新しい方法の1つです。

コンテンツの評価方法は、その楽しまれ方の多様化に伴いさまざまな軸があります。
ウフルではソーシャルの反響を活用した、番組の定量・定性調査の実績もありますので、興味がある方は是非下の「まずは事例を見てみる」のボタンから資料のダウンロードなどしてみてください!

いやーしかし、この3ヶ月間は楽しかった。「逃げ恥」ロス仲間のみなさん、今日からまた頑張りましょう!(↓放送終了後のソーシャルでの反響です。)

※2 参考:総合視聴率|ビデオリサーチ

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エモジマ

1991年生まれ神奈川県出身。LAにあるMIという音楽のカレッジでDIYマーケティングを学ぶ。ウフルのマーケティングソリューション部で働くコンサル兼ミュージシャン。街と散歩とらーめんと布団と枕が好き。
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