みなさんこんにちは!
前回は五感とマーケティングについて述べました。今回は私の生活の9割を占めていると言っても過言ではない“音”と意識の関係性についてご紹介します。
ブランディングされる企業イメージ
みなさんはマクドナルドのポテトが揚がる音をご存知でしょうか。今すぐに思い浮かばない方も、こちらを聞けば多くの方が「あっ」と思い出すのではないでしょうか。もともと商業利用の目的で作られたわけではないと思いますが、現在CMで起用されるなど、企業名を出さずともマクドナルドを想起させる役割として活用され始めています。
一方で、カルピスウォーターのCMといえばどのようなイメージを持ちますか?夏・さわやか・青春…このようなイメージが浮かんでくるかと思います。制服の女の子が爽快に走り抜ける姿が印象的ですよね。CMに起用される音楽もさわやかさを引き立たせる役割を持っており、マクドナルドとは対照的に意図してカルピスのイメージにあった音楽を選択しています。
音が人に与える印象
カルピスウォーターのCMでは走り抜けていく姿と曲の軽快なテンポが相まって、爽快なイメージを受け取ることができます。実はこのBGMのテンポが、人に与える印象に大きく影響するのです。
アメリカ・ロヨラ大学のロナルド・ミリマン教授がある実験を行っています。スーパーマーケットで流すBGMをスローテンポかアップテンポかに変更することで買い物客の消費行動がどのように変化するのかを調べたところ、アップテンポのBGMよりもスローテンポのBGMを流した時の方が滞在時間は長く購買額も高くなったそうです。
このように曲のテンポによって人の行動をある程度操ることができるので、回転率を高めたい場合や店内でゆっくりしていただきたい場合など誘導することができます。
また、音には空間の「居心地の良さ」を左右する効果もあります。例えば小鳥のさえずりや波の音など、自然の音には高周波成分が多く含まれています。自然音が持つリズムにはゆらぎが存在し、規則的でもランダムでもないちょうどよいゆらぎのことを「1/fゆらぎ」と言います。
1/fゆらぎとは?
パワー(スペクトル密度)が周波数fに反比例するゆらぎのこと。
ただしfは0よりおおきい、有限な範囲をとるものとする引用:Wikipediaより
「1/fゆらぎ」は身の周りに意外と多く存在しています。「1/fゆらぎ」を取り入れることで安らぎの空間を演出することもできますね。
ちなみに私は「1/fゆらぎ」のことは高校のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)クラスの発表で知ってから興味を持ちました!
無意識に受けている音の影響力
ディズニーの音楽を少し聞いただけで、ディズニーランドやディズニーシーで遊んだ時の情景を思い出したりしたことはないでしょうか。体験の中で無意識的に受け取っている音は想像以上に記憶に刻まれているものなのです。ディズニーのテーマパークを訪れると、駐車場に入った時や電車を降りた瞬間から音楽が流れており、一瞬で非日常を感じさせてくれます。
アトラクション付近でも、スペースマウンテンでは近未来的な音、ビッグサンダーマウンテンではカントリー調の音など、そのアトラクションのイメージに合わせた音楽が流れています。また、移動中や食事中などアトラクションを楽しむ以外の時間に流れている音楽は、小鳥のさえずりなどゲストに”休憩“する空間も提供しています。ディズニーではアトラクションを楽しんでもらうことはもちろん、アトラクションとアトラクションの間の時間も大切にしているのです。
無意識に音の影響を受けている分、効果的に使えば居心地の良い空間を創り出すことができます。パークへ足を運んでくれた人たちがディズニーの世界観や非日常的空間に没入して最大限楽しめるよう、音楽にもこだわりを持ってディズニーは演出していると思います。
サウンドマーケティングの可能性
最近ではSNSでの広告などでも動画を使用できるなど、音を活かせる環境が増えてきたように思います。音によって自社を想起させるプロモーションもますます増え、今後もさらに進化していくのではないでしょうか。
しかし、ただ音楽を流せばよいというワケではなく、ターゲット層・使用メディア・ブランディングなどをきちんと落とし込んだ上で対象に合った音を選択することが必要と言えるでしょう。
おまけ
ここからは余談ですが、私の気分が高まる音を紹介します!毎年4月下旬に宮城県で行われているARABAKI ROCK FESでアーティスト登場前に流れる音楽です。
みなさんのお気に入りの音はなんでしょうか?
さぬき
最新記事 by さぬき (全て見る)
- ついにOPEN!東京ミッドタウン日比谷に行ってきた - 2018年4月12日
- BUMP OF CHICKENがツアー中に行ったSNSの充実度がすごかった話 - 2018年2月21日
- マリメッコのユニクロコラボから見る戦略 - 2018年1月19日