職業柄、広告には敏感です。
「この企業、こんなところに広告出してるんだ!効果どうなのかな?」とか、これはもう職業病みたいなもの。
探知機みたいに広告を見分け、どうしても裏側を探ったり、その奥のビジネスモデルを勘ぐったり。
しかし、これは僕がデジタルマーケティングに関わる仕事をしているからというのもありますが、実は専門家に限ったことではないのではないかと思っています。
広告市場がデジタルへ爆発的に広がっていく中で、人々の広告の捉え方が変化しています。
コンテンツに自然な形で広告が溶け込む
今回の記事を書こうと思ったきっかけはフルタさんが前回書いた記事「Marketing Tips:プロダクト・プレイスメントとは?」です。
プロダクト・プレイスメントとは、簡単に言ってしまえば、映画などのコンテンツの中に実在する企業のプロダクトを登場させて、間接的に宣伝するといった手法です。詳しくはフルタさんの記事も是非見てください。
これに似たやり方というのは様々あり、例えば雑誌の特集記事などがあります。ファッション雑誌などで、あるメーカーとコラボレーションしてブランドの商品の着こなしを紹介するといった特集を読んだことがある人は多いのではないでしょうか。
どちらにも共通して言えることは、直接的な販促訴求をしているものではなく、かつコンテンツの中に自然な形で商品が溶け込んでいます。受取手側はあくまでコンテンツを楽しんでいるのであって、広告を見せられているという感覚にはなりません。
書店で好きな雑誌を買う際に「お金出して広告を買っている」という感覚の人はほとんどいないでしょう。
デジタル広告は邪魔なもの?
一方で、デジタル広告はどうでしょうか?
デジタル広告が広く普及した今では、スマホで広告に触れない日はありません。
SNSを開けばフィード内に広告が差し込まれているし、何かを調べようとすればリスティング広告が検索結果の上の方に表示されます。
何か記事を読んでいればバナーやディスプレイ広告が配置されているし、YouTubeを見ようとすれば5秒間は広告を見せられます。
なぜこれほどまで、どこに行っても広告を見せられるのか?それは、インターネットの大部分が無料だからです。
ユーザーが無料でサービスを利用できる代わりに、提供者側は別のところからお金を獲得しないといけません。そのため多くのサイトで広告が掲載され、ユーザーではなく広告主から掲載料を得ています。
しかし、中には広告を表示させないための有料プランが用意されているサービスもあり、「デジタル広告は、コンテンツを楽しむのに邪魔なもの」と感じているユーザーも少なくないことがうかがえます。
また、昨今ではYouTuberが企業とコラボして商品を紹介することで高収入を得るなど、広告の裏側とも言える部分がテレビで特集されることもありました。
そうした広告の内情が消費者の目に触れやすくなっている背景に加え、毎日SNSを利用する若年層はインフィード広告やインフルエンサーによるPR投稿などを日々目にしており、広告に対してより敏感になっているとも言われています。
過激な煽りをするような広告もまだまだ多く、デジタル広告に対してあまり良くないイメージを持っている方も多いようです。
広告と感じさせず、コンテンツの内容で惹きつける
ただ闇雲にデジタル広告を配信していてもなかなか見向きをしてもらえない中、やはり重要なのはコンテンツの面白さ。そして、心理的に広告と感じさせないような、工夫も必要です。
注意しなくてはいけないことは「広告と感じさせない」のと「広告であることを隠す」のは違います。デジタル広告は、基本的に何らかの表示で広告であることを明記する必要があります。広告である旨の明記なしに、広告費をもらって配信することを指す言葉がステルスマーケティングです。
一時期「ステマ」という言葉を頻繁に耳にしたことがありましたが、広告であることを隠すやり方は、やはりあまり消費者に好まれません。
そして、昨今のデジタル広告にはバナーやディスプレイ広告、SNS広告だけでなく、メディアに自社サービスを紹介してもらう特集記事広告や、動画など様々な選択肢があります。
その中で自社ブランドと組み合わせると面白いものを選択し、企画としての面白さや、画像やキャッチコピーなどのクリエイティブを突き詰めたコンテンツを作ることで、広告は鬱陶しいものではなくなります。
テレビCMの中にもCM自体が面白く楽しめるものがあるように、広告であったとしてもコンテンツとして楽しませることが、デジタルマーケティングの施策において重要なのではないでしょうか。
広告で溢れかえっているからこそ、しっかり受取手の心に突き刺さるコンテンツを企画できるかで消費者の反応は大きく変わってきます。
ウフルではコンテンツマーケティングの支援や、キャンペーン企画、制作なども行なっています。一緒に魅力的なコンテンツの企画と戦略を考えてみませんか?
エモジマ
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