ソーシャルメディアとコンテンツマーケティングのこれから

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唐突だが、ソーシャルメディアマーケティングは一巡したのではないだろうか。
2011年くらいから企業がソーシャルメディアマーケティングの導入を始め、2013年には企業はこぞってファン獲得およびエンゲージメントの強化を図った。
当時、ファンページ(企業ページ)のファン数は将来の資産になると考えられており、その資産を活かすためにエンゲージメント(ファンが反応すること)をKPIにおいて、コンテンツ運用を行っていた。

しかし、特にFacebookで多くのアルゴリズム変更があったことで、このビジョンは崩れることになる。
そして、多くのファンを抱えた企業ページは、その在り方を問われることになったのである。

ソーシャルメディアに適合したマーケティングとは

そもそも、ソーシャルメディアを使ったマーケティング活動とはどのようなものだろうか?

ソーシャルメディアはダイレクトな広告を大量に打つ場所としては適さない。なぜなら閲覧者は自らの考えを表現し、他者の考えや情報に触れたいという目的でアクセスしているからだ。
そのような場所で大量に広告を展開することは、かえって逆効果になる。

ソーシャルメディアマーケティングは、閲覧者の役に立つ情報の提供や、閲覧者とのコミュニケーションがメインタスクであり、押し売りや宣伝がメインになってしまうのはご法度なのである。

コンテンツ作りで意識すべきポイント1 ターゲティング

閲覧者を魅了してファンに変えていくコンテンツを作成するために、心得ておくべき重要なポイントが2点ある。

まずはターゲティング。
ターゲット像が曖昧なまま闇雲にコンテンツを作成している企業は意外と多い。しかし、自社がターゲットとすべき顧客の特徴を想定することで、誰に向けたコンテンツなのかを明確にすることができる。

ターゲット像を明確にする手法でおすすめなのは「ペルソナ」である。年齢・性別・生活環境などの属性面から、考え方・課題に思っていることなど内面も含めて、人物像を詳細に設定する。
その人物像を元に簡単な物語が生まれるくらいペルソナを作りこめば、自ずとコンテンツの方向性も見えてくるだろう。
persona

意識すべきポイント2 アピール方法の工夫

2点目として、広告のようにならずに商品・サービスの魅力を伝える方法を工夫することも重要だ。

例えばある菓子メーカーでは、菓子の食べ方を一工夫し「斬新な食感が楽しめる方法」を伝えることで、注目を集めるのに成功した。
別のアパレル通販企業は、商品が美しく見える写真の撮り方を徹底的に研究し、閲覧者を魅了する綺麗な商品写真を多数掲載して、支持者を増やした。

このように閲覧者に魅力的だと感じさせるようなコンテンツを提示することが、ソーシャルメディアマーケティングの重要な役割だ。
ソーシャルメディアマーケティングは中長期でロイヤリティの高い支持者を増やすことが重要であり、目の前にあるフォロワー数やいいねの数などの短期的な数字は、あくまでも通過点に過ぎないことを心得るべきである。

ソーシャルメディアの正しい使い方

上記を考えた時に、正しいソーシャルメディアの使い方は、やはり「長期的にファンとのリレーションを深める」ために使う、ということになる。

その効果を測定するには、ソーシャルアカウントに対してエンゲージしているファンを一つのオーディエンスとして考えるという方法がある。
(ここでのオーディエンスとはつまり、仮のターゲットユーザーリストということになる。)
そして、例えばアカウントのオーディエンスに、コンテンツを通してキャンペーン情報を流す。そのコンテンツへのアクセス数などが高ければ、「ファンとのリレーションが深まっている」と考えることができるだろう。

* * *

そして、これからのソーシャルメディアマーケティングにおいて重要になるのが、コンテンツマーケティングを併用してこれまでの”一歩先”へ繋げることである。
コンテンツによるファン獲得、コンテンツで効果測定…それだけで終わってはもったいない。
コンテンツにエンゲージしてくれたファン=より確度が高い(と思われる)真のターゲットユーザーとし、そこに対してより深いマーケティングを行うのだ。

コンテンツをハブにして、そのコンテンツにエンゲージした人をターゲットユーザーとして選定する、という手法はコンテンツマーケティングの考え方であり、Facebookが新たにリリースしている広告メニューはまさにこの考え方に即している。
例えば、動画をある一定時間以上見たユーザーや、コンテンツを通して外部リンクをクリックしたユーザーだけに絞り込んでFacebook広告を配信することができる。

元来のユーザーエンゲージメントと、こうしたコンテンツマーケティングの要素を組み合わせ、Facebook広告などの機能もしっかり活用していくことが、これからのソーシャルメディアの正しい使い方となるのではないだろうか。

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NOWAY

ウフルのOB(2016年1月末卒業)。1980年岡山県出身。青山学院大学ビジネスクール(ABS)卒。MBA、PMP(R)、プロキックボクサー(現役、NEXTLEVEL渋谷成田組所属)。専門分野はプロジェクトマネジメント。ただいまウフルシック中。
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