どうも、ウフルの働くミュージシャンことエモジマです。
今年のお正月に妻の実家にも遊びに行った際、義理の祖母が僕のFacebookをバッチリチェックしており、このメディアの記事をiPadで熟読していることを聞きました…笑
以来Google Analyticsに65歳以上のアクセスが検知されているとおばあちゃんの顔が浮かびます。いろんな方に読んでいただけて、ありがたい限りです。
さて、今回は最近気になっている若いミュージシャンの話です。
ぼくのりりっくのぼうよみ
「ぼくのりりっくのぼうよみ」(以下ぼくりり)は、2015年の年末デビューの若手ラッパーです。1998年生まれの18歳で、デビュー時は高校生という若さです。
クールなサウンドもさることながら、歌詞の節々に感じられるとても10代とは思えない思慮深さ。正直めちゃくちゃかっこいい。
また、彼のリスペクトすべきところは、音楽だけじゃありません。ぼくりりは「自分でメディアを作る予算を集めたい」としてCampfireにてクラウドファンディングのプロジェクトを公開しました。(※現在は終了しています。)
「Noah’s Ark」というタイトルの2ndアルバムの発売に合わせ、期間限定でWebメディアを公開するというこのプロジェクト。情報に溢れた現代社会を、洪水から逃れるノアの方舟に例えているのだとか。
情報の氾濫に飲みこまれずに生き残る術を持つ人びとと対談することで、
その武器を手に出来る、あるいはそのきっかけを得られると思ったからです。きちんと予算を立てて、自分の目で、耳で得たものを形にしたい。
自分の作る音楽が、それをみなさんに伝える役に立つのではないかと思いました。
実際にプロジェクトのページに書かれているコンセプトがこちら。情報の洪水の中で生きていく方法やアイデアを伝えたい、といった風に僕は解釈しています。
「情報に踊らされるのではなく、自らの力に変えていく生き方」を提案していこうとする姿勢、本当に素晴らしいと思います。サイトの公開がすごく楽しみ。
自分が10代の頃なんか、バンドやってモテたいとか考えてるような奴しかいなかったぞ…。
趣味趣向がよりパーソナライズされている時代
ミュージシャンは音楽を作って演奏する役割ではありますが、同時に広く人々に情報を伝えるインフルエンサーとしての役割もあります。
黒人奴隷の労働歌が元となったブルースや、反体制を歌ったパンクなど、そもそも「思想や言論の発信」という起源で発展した音楽というのは多くあります。
いつの時代でもミュージシャンは情報発信の大きなエネルギーを持ったインフルエンサーとなり得ます。
しかし、その影響力というのは時代と共に変わってきています。
これは2010年に公開されたWe Are The Worldの再録版です。正直なところ、リードパートを歌っているシンガーの名前が全員分かるという人はほとんどいないのではないでしょうか?
マイケル・ジャクソンの死後、誰もが知っている馴染みのスターはもう一人もいないのではないではないかと僕は思っています。
インターネットやSNSの発展により、人々の趣味趣向はよりパーソナライズされてきています。自分の好きな情報を好きなだけキャッチすればいいという考えを持っている人は、結構多いのではないでしょうか?
しかし同時に「ネット上でわからないものは、わからないままでいい」という考え方にもなり得ます。
漠然とした「いい音楽の情報」は、あちこちで発信され飽和しています。そして一人のリスナーが処理できる許容量には限界があり、大抵の情報は無視されてしまうようになります。
情報発信がいくら簡単になっても、それを受け取るユーザーがいても、ソーシャルメディア上で人の興味を0から1にすることはなかなか難しい。この現代の情報の洪水は、流されて考えることができなくなっている受取手だけでなく、発信していかなければいけない立場である僕らマーケターにも降りかかっている問題なのだと思います。
コンテンツマーケティングで情報の洪水からファンを引き上げる
情報が溢れ返る中「本当に情報を必要としてくれる人に、必要な情報を伝える方法」が求められています。コンテンツマーケティングにそのヒントがあるのではないでしょうか?
コンテンツマーケティングの考え方の一つに、単なる情報発信ではなく、”ユーザーを育てる”という考えがあります。
何か深く知りたいことがあった時に、インターネット上で先生になってくれるサイトがあるととても便利です。「このサイトを見ていれば知識を深掘りしていける」ということが分かれば、人はまた繰り返しアクセスします。
餅は餅屋と言うように、何かわからないことがあれば、それに対して知識がある人、愛情がある人に教わるのが1番です。
日々のことをブログに綴っている企業は多くあるかもしれませんが、コンテンツマーケティングにおいて大切なことは「受取手の状況に応じて、最適なコンテンツを企画すること」です。自社製品について「まず知ってもらう必要がある人」と、「もっと深く知ってもらう必要がある人」とでは、最適なコンテンツが違ってきます。
まず知ってもらうにはどんなコンテンツがいいか?もっと興味を持ってもらうためにはどんなコンテンツがいいか?などを戦略的にコントロールし、何度も訪れてもらえるサイトを作ることで、ロイヤルなファンベースを築き上げていきます。
人々は興味のある情報に気軽に手を伸ばして、ちょっと見てはすぐに手放していきます。コンテンツマーケティングは、その伸ばされた手をしっかりと掴んで情報の洪水からファンを掬い上げるための手段の一つになると考えています。
今回のぼくりりの挑戦も、コンテンツマーケティングの一つなのだと思います。
クラウドファンディングのリターンは「このプロジェクトに共感してくれた人にだけ聴かせたい新曲」なのだとか。
想いを共有した人にだけ、伝えたいことを音楽でさらに伝える。ミュージシャンだからこそできるファンの育て方なのではないでしょうか?僕は何か音楽の新しい可能性みたいなものを感じでワクワクしています。対談企画呼んでくれないかしら…笑
エモジマ
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