情報の可視化とBIツールの使い分け

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さて、この記事が公開されている時間にはアドタイデイズでの弊社の講演も終わっていることだろう。弊社の展開しているソリューションの一つであるenebular Marketing Intelligence(以下eMI)のご紹介を中心に、データの可視化について話させていただいているのだが、今回はその補足記事を少し。

用途に合わせて選択すべきBIツール

世の中には様々なBIツールがある。弊社は独自の可視化のソリューションを展開しているからといって、これらを無下にあしらうつもりはない。むしろ、これらの活用もお客様に提案させていただき、導入させていただいている。

一口にBIツールといっても様々だ。モバイル時代に対応した、簡便性を売りにしたwave analyticsやPower BIといったものもあれば、より分析に重きを置いたtableauといったものもある。それぞれに用途に合わせた利便性があり、使い分けが重要となる。eMIも、そういった使い分けの中の一つの選択肢として存在している。例えば下記のような形に。
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ここで大事なのは、誰向けにどういった使い方を想定しているのか、というところだ。
例えば、見るデータが決まっており、それさえスマートフォンで確認できれば良いという話であれば、wave analyticsなどは非常に適したツールになってくる。移動の多い経営層などが、場所に捕らわれずに経営判断を下すことも容易になってくるだろう。
一方で、分析担当者が因子を変えてデータを見ていきたい場合は、そういった深堀操作に適したツールが求められてくる。Tableauなどはその筆頭と言えるだろう。

では弊社のeMIは? 以前の記事にも記載させていただいているところではあるが、その特性としては汎用的なグラフ化などとは異なり、ハンドメイドで情報設計を行っている点にある。インフォメーション・アーキテクチャ(IA)への取り組みだ。それ故、現状では誰もが触れるオープンなツールとしては展開していない。個別の情報インプットと、それを受け取る対象に合わせて、見せ方をカスタマイズして展開させていただいているからだ。

知恵へと昇華することを支援

このように手間暇をかけてカスタマイズされた可視化を行う意義は、対象となる閲覧者にその情報の理解を促すことにある。必要な情報だけ得られれば良い人や、自分で分析を行っている人であれば、前述のBIツールで事足りるだろう。しかしながら、誰しもがそういった形で情報を理解できるわけではない。情報は、真の意味で理解されなければ、活用されることがないのだ。

前述の記事で同様に紹介しているDIKWモデルの思想に則るならば、知識を知恵に昇華させるための装置として展開しているのがeMIにおける可視化ということになる。
img_bi-2
こちらの図にDIKWの各段階の情報例を記載させていただいた。
日常的な情報なので理解も容易なものではないかと思うのだが、コンテクストに合わせた情報理解があってこそ、最終的な「止まらないと」という解釈に至る。つまり、情報をただ体系化するのではなく、どのような文脈で理解すべきなのかが判断材料として重要ということだ。

個々のグラフ化された情報をウィジェット形式で並べるのではなく、それらを有機的に繋ぎ、関係性を明らかにする。こういったカスタマイズがあってこそ、第三者での正しい解釈を得ることが可能となるわけだ。

BIツールと連動する可視化の意義

今回の公演では、eMIをtableauのデータと連動させ、表現豊かに展開するというサンプルを紹介させていただいた。
Tableau自体、豊富なウィジェットが用意されており、表現力豊かなBIツールだ。それでも尚、真の理解を得るためには、もっと多面的な見せ方が必要な場合が出てくる。そうすることによって、情報を受け取る側の幅を広げ、その活用の可能性を広げることが可能となるのだ。

一方でeMIも、tableauと連動することでその豊富な分析環境と掛け合わせたデータの提供が可能となる。カスタマイズ制作を行っているeMIは、データの深堀を可能とする作りこみを行うのは、デフォルトの機能ではないため、可能ではあるものの苦手な分野なのだ。

このように、それぞれの可能性を高めることのできる連動開発は、これから益々取り扱うデータ量が増えてくることが予測される世の中において、非常に良い組み合わせなのではないだろうか。
今はまだ、その入り口に立ったばかりではあるものの、私自身、非常に高い価値と可能性を感じている。

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タナカさん

兵庫県出身。2003年東京外国語大学大学院修了(学術修士)。ウフル・マーケティングインテリジェンス本部(旧マーケティングクラウド本部)のたぶんちょっとエライ人(弊社CSOの田中正道とは別人)。 データドリブンなマーケティングに関して、その仕組みの設計からクリエイティブまで経験。趣味はバルトやデュルーズといった現代思想の研究から草の根音楽活動までと多岐に渡る。要するにオタク。
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