アベノミクスによる好景気で企業はシステム投資を増やしており、IT業界では未曾有のエンジニア不足に見舞われている。建設業界でもオリンピックに向けてリソース不足が指摘される中、注目したいのがプロジェクトマネージャー(プロマネ)というポジションだ。
ITや建設業では有名なPMBOK(R)※フレームワークだが、事業やマーケティング分野ではあまり馴染みが無いのではないだろうか。
※:米国プロジェクトマネジメント協会(PMI(R))が取りまとめたプロジェクトマネジメントに関する知識体系。
何を隠そう、私はPMI(R)認定PMP(R)(Project Management Professional)保持者なのだ。しかも、Business DevelopmentやMarketingサイドのプロマネというかなり希少種であるということになる。
しかし、プロジェクトマネージャーは一体何をするのか?という点が実はまだまだ認識統一されていないような状況だ。
そもそもプロジェクトの定義とは一体何なのか、ということから話をする必要がある。
プロジェクトとは
PMBOK(R)では「プロジェクトとは、独自の製品、サービス、所産を創造するために実施される有期性の業務である。」と規定している。独自性、有期性というのがミソで、定常業務は含まれない。つまり、新しいことをいついつまでにやるというのがプロジェクトなのだ。
当然、プロジェクトと定常業務では求められる資質、能力、特性が違ってくる。定常業務は反復的なプロセスをミス無く、正確に、早くということが評価の対象になるが、プロジェクトの場合は何も無いところから新しく作る、0→1をやるということになるので、イノベーティブな発想、チャレンジが求められる。つまり、不確実性の高い、未知の世界に踏み出すこと、その環境にワクワクできるような人が向いているのではないだろうか。
プロジェクトマネージャーの役目とは
それはただ一つ、プロジェクトを成功させることだ。
プロジェクトの成功とは、プロジェクトオーナーやクライアントの期待に応え、満足してもらうこと。満足の指標となる項目は、品質、納期、コスト、スコープなど、多岐に渡る。
ここで問題になるのが、満足の基準だ。いくら契約があっても人間対人間になるので、この基準の部分をしっかりと握ることが必要になる。PMBOK(R)では合理的なフレームワークを使いながらも、プロジェクトマネージャーの仕事の90%はコミュニケーションだと規定しているほど、泥臭い人間的な要素が求められるのである。
また、前述のとおり、経験したことのないハイリスクな環境の中でチームをまとめることになるので、マネジメント能力に加え、強いリーダーシップも必要になる。
※リーダーシップとマネジメントについてはまた別の機会に。
プロジェクトマネジメントを学ぶ目的
プロジェクトマネジメントはフレームに収まらない、掴みにくい部分が多い。しかし、型にはまらないこと、予測不可能な事項が多ければ多いほど、逆にフレームワークは有効になるのでないかと感じている。つまり、基準点を測る方法で、現状がどのくらい基準からズレているか?を認識する一つのコンパスのような役割になるのだ。
また、多くのプロジェクトはチームプレイとなる。大きなプロジェクトになれば、必然的にチームで臨むことになるだろう。場合によっては、社内だけではなく社外のパートナーと組んだりして、初めて顔を合わせるメンバーでチームになるということも少なくない。
こういった、多様なバックグラウンド、性格、企業文化などをマネジメントし、最高のパフォーマンスを出すために、プロジェクトマネジメントという学問は用意されているのだ。
ウフルのマーケティングクラウド本部でも、大規模プロジェクトが多く存在する。そして、多くの場合はチームで案件にあたっている。プロジェクトマネジメントの考えを業務の中に落とし込んで、お客様の期待に添えるように全力を尽くしているのだ。
それでは、第1回目はこのあたりで。
次回から、具体的なプロジェクトマネジメントの内容に触れていこうと思う。
NOWAY
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