こんにちは。
先日5/25に、明治のスナック菓子「カール」が中部以東では8月で発売終了することが発表されました。関東圏で買えなくなるため、フリマサービスのメルカリで転売されるほどになっています。
今回はそちらの話題の広がりをソーシャルリスニングツールSocial Studio(Radian6)を用いて、調査してみました。
ニュースメディアでの拡散と投稿の連鎖
図1は「カール」に関する話題を日別にまとめたものです。(Twitter/2ちゃんねるなどの掲示板/ブログを含む)
5/25から5/31までの1週間での投稿量は620,960件でした。
発表前の平均話題量は約2,000件でしたが、発売中止のニュースが発表されて、話題量が急増したことが分かります。
それでは5/25当日の動きを時間別にもう少し細かく見てみましょう。
すると、15時台をきっかけに話題になっていることが分かります。
上場企業だから証券市場が閉まってから発表をされたことが考えられます。
ではどの媒体が最初にとりあげたのでしょうか。
投稿を細かく見た結果、下記のことが分かりました。
最も早く取り上げたのは、共同通信(15時50分)でした。
共同通信の投稿に伴い、47Newsというアカウントでも取り上げられています。
47Newsは、ニュースアカウントではなく、共同通信の投稿を自動的に投稿するアカウントです。ただフォロワー数においては、共同通信11万人に対し、47Newsは43万人です。
その後、各社のTwitterアカウントで下記のように紹介されていきます。
- 16時3分 スポニチ
- 16時10分 ライブドアニュース
- 16時18分 Yahooニューストピックス紹介
- 16時30分 Yahooニュースが話題のツイートにランクイン
- 16時58分 日経新聞
- 17時49分 NHKニュース
と続いていきます。
詳細についてはこちらの図をご覧ください。
このように、ソーシャルリスニングツールを使えば、いつどこのメディアがそのニュースを取り上げたか、また投稿の連鎖も可視化できます。
ユーザーの反応:付加価値による昇華
次に、特に拡散されたユーザーの反応を見ていきましょう。
◯エリアの図示
こちらは、発売中止地域を自ら地図で示した投稿です。
カール 中部以東で販売中止 | 2017/5/25(木) – Yahoo!ニュース https://t.co/k86bjJzBFv #Yahooニュース
yahoo!によると地図でいうこの赤いライン以東の販売中止らしい pic.twitter.com/byF2NcaTi4
— 千鳥格子 (@1000_birds) May 25, 2017
カールが買えなくなるのは赤の地域
青の地域は今後も販売を継続#中部以東 pic.twitter.com/a4GBD2OLFm— ゆうやん ٩(๑′∀ ‵๑)۶ (@blue_eyes373) May 25, 2017
(※編集部注:三重県は赤エリアである投稿が追加されています)
◯おもしろ投稿
最もリツイートされたのはナウシカをモチーフにしたものです。
渡しなさいナウシカ。カールは東日本には住めないのだよ。 pic.twitter.com/beai0v3BNa
— 大宮ゆう? (@omiyayou) May 26, 2017
また、紀伊国屋文左衛門のエピソードにカール不足を重ねて紹介した投稿も拡散されました。
「東日本でのカール不足を知った和歌山の木材問屋、紀伊国屋文左衛門は千石船にカールを満載して東京湾に入港、巨万の富を得る。その稼ぎで一夜千両と言われる歌舞伎町の夜を買い上げたことから、“カール大帝”としてその名が現在に伝わっている」民明書房『増補版紀州紳士録』
— 蝉川夏哉@12月29日のぶマンガ⑤発売 (@osaka_seventeen) May 25, 2017
著名人では、DJの石野卓球さんが投稿され、拡散されました。
⚡️ "「さよならカールおじさん…」中部地方以東で販売中止"https://t.co/RJyUBmROOB pic.twitter.com/FZHOa1CuVl
— Takkyu Ishino/石野卓球 (@TakkyuIshino) May 25, 2017
シャープの製品部門のアカウントでも紹介されていました。
東京出張に、良いお土産になりそうだ(^^) https://t.co/ruFRQCAzN1
— シャープ製品 (@SHARP_ProductS) May 25, 2017
◯カールをゲットした人の声
拡散数は多くはないものの実際にカールをゲットした方の声も取得できます。
こちらは、8軒目にしてカールをゲットできたという投稿。
8軒目にしてようやくカールチーズ味をゲットw
— 守川なぎさ (@maidnagisa) May 25, 2017
私自身、家の近くのコンビニを5件回ってゲットしたので、ゲットできたときの気持ちがわかります。
今まで普通に買えていたお菓子が、東エリアでは入手できなくなったということが付加価値となって、特別なお菓子へと昇華されているのではないかと感じます。
一方で、アマゾンで1位になっているという投稿も確認しました。
うらやまゴクリ…?
でも通販とかでゲット出来ないのかなぁ〜とは思ってます
さっき見たAmazonではカールがベストセラー1位になってて、しかと品切れしてて笑いました( ˃̣̣̥ω˂̣̣̥ )— すみす (@smithko_) May 25, 2017
アマゾンでカールって買えるのですね。それにしてもすごい値段になっています。
注目すべきもの:メルカリ
メディアの拡がりとユーザーの反応に加えて、もう1つ注目すべきものがあります。
それはメルカリです。今回のカールの発売終了のニュースと同時に、メルカリでカールが多数出品されています。
現在は市場価格の2倍程度ですが、11万円という驚きの価格設定もあったようです。
【参考記事】
「メルカリに早速「カール」が出品される 1袋11万円という強気の価格設定も」
また、カールは地域を絞ってでの発売中止でしたが、先月ピザポテトが発売を休止した際にも同様に転売されるケースが起きました。
【参考記事】
「販売休止で品薄の「ピザポテト」、オークションサイトへの出品相次ぐ 1袋1万5000円で販売も」
ちなみに、こちらは4月から5月のピザポテトに関する話題量です。
現在は話題は収束していますが、引き続きピザポテトは市場価格の2倍程度の値段が付けられています。
メルカリはSNSとは異なりますが、CtoCのユーザーコミュニティであり、どのような商品が出品されているかを把握することで消費者理解につながります。
また、ソーシャルリスニングツールと組み合わせることで、より消費者の動向を把握することができます。
常にこうした新しいコミュニティにも目を向けていくことが、市場傾向や消費者心理をつかむためにますます重要になってくると言えるでしょう。
けーすけ
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